2021年2月39P
ページ内の表示数
「そういう日のこと。」
当たり前の話ですけれどもね、
見た目じゃなんにもわからないです。
「結婚の意味なんて。」
結婚なんて意味がないと言えば
ないと思う。
でも「意味ねえ!」なんて
わざわざ言ってる時点で
意識してるのはバレバレだ。
そんなの考えたことがない。
あのねえ、
結婚していれば周りから一人前だと思ってもらえる
なんて子供みたいな気分で結婚なんかしない方がいいぜ。
「先輩と僕。」
どうでもいい人としなければならない
どうでもいい会話は苦痛だった。
僕が知りたいのは、
人がコミュニケーションのために
装備している趣味やマンガや天気の話題を
全て剥ぎ取ったあとに出てくる
人間の本質的なイヤな部分であり、
それ以外の会話は時間の無駄だとさえ
思っていた。
「小さい小さい話。」
誰も誕生日を祝ってくれないのは
誰の誕生日も祝っていないからじゃないかと
思うのですけど違いますか?
「夜話。」
僕が大学生だった90年代前半は
バブル崩壊後、氷河期などと呼ばれたりするが、
もっとも大きな変化は、
「サザエさん的家庭像の完全崩壊」
にある。
僕はまさしくサザエさん的な家庭で、
ほとんど不満もなく育った。
そんな僕の楽天的な価値観を
大学生活の恋愛が全て破壊することになる。
問題のない家庭などない。
それはとてもショックな価値観の変化だった。
「その節は。」
毎年この時期になると描きます。
まあ個人の思い出なんて無限にあるものでは
ないですからね。
ただ、そうやって思い出を繰り返し描くうちに
細かいイヤなことは忘れてしまいました。
未読の方は去年描いたこちらもどうぞ。
↓
23ページマンガ「そのせつはごめいわくありがとう。」
「僕と村木。」
人と話していると、たいてい
「そんな女いるかよ」
「そんな男いねーよ」
みたいな話になりがちですが、
いますよ。
ちゃんと自分を見てくれる人はいます。
自分の見る目がないから
スルーしてるだけです。
「ごとく。」
よくわからないがお高いケーキは当分禁止。
「お前の優しさなど何の役にも立たない。」
これが「ぬいぐるみ事件」の伏線になる。
世界の狭い僕は全ての責任を
自分のことにしたがった。
自分が悪いのだ。
自分のせいなのだ。
自分が知らないからだめなのだ。
自分、自分。
そんなやつは役に立たねえ。
繊細とは無縁の、
独善だけが僕の高校生活を偏ったものにしてゆく。