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1:2017.2.28 (23:04)

「再会①。」

「再会①。」

大学に進んだ後、一度だけオータニに会ったことがある。
名古屋で女子大生になったオータニは、髪が短くなったこと以外は
高校時代のゴリラのままで、

でもゴリラの癖に何だか、
何だか、
何だか。
もう。

 人物「オータニ」一覧

2:2017.3.1 (23:51)

「再会②。」

「再会②。」

オータニはマキタの幼馴染で親友だ。
マキタが寡黙な、何を考えているかよくわからないところのある
表情の薄い人間だったのに対して、
嘘のつけない、顔に全部出る人間だった。

僕はマキタも来ると思ってちょっとびくびくしていたのだ。
マキタはいつまでも特別な人間だった。
好きとか嫌いとか言う気持ちは既に忘れていたと思うが、
でも特別だったのだ。

 人物「オータニ」一覧

3:2017.3.2 (23:14)

「再会③。」

「再会③。」

きっと今なら、友人が結婚する、そんな情報もSNSやネットを使ってすぐに耳に入るんだろう。
だけれど僕は、聞かなければ知りようのない、
無知の時代をノスタルジーと共に思い出し、「あの日に帰りたいな」と思ったりする。

人間が冷たくなったとは特に感じないが、
知りたいことは知るのが難しく、
知りたくないことばかり目にする、耳に入るのは、とても苦しい。

僕の聞きたくなかった話は、
オータニからはっきりと語られる。
はっきりと語られたからこそ、僕は傷つき、
今でもこうして覚えている。

 人物「オータニ」一覧

4:2017.3.3 (0:01)

「再会④。」

「再会④。」

読んでいる人にはさっぱりわからないとは思うものの、
このオータニとマキタ、僕とマエダの特に何でもないどうでもいいお話は、
「誰もが誰にも話さなかった結果」ということがテーマだ。

毎日ネットのニュースやSNSを見ていると、
驚くことがものすごく少なくなった気がして不安になる。

僕はつまらないことでいつも驚いていた。