シリーズにんげんのうた⑪ 「先輩③。」
僕が先輩がとても好きだったが、
それ以上に僕自身のことが好きなだけだった。
僕はただただまっすぐに先輩を追い詰め、
彼女はただ泣いた。
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僕が先輩がとても好きだったが、
それ以上に僕自身のことが好きなだけだった。
僕はただただまっすぐに先輩を追い詰め、
彼女はただ泣いた。
先輩は滅多に何かをスキだと言わなかった。
ただのひねくれものだったんだろうか。
僕はそうではないと思っている。
先輩はただ、色んなことがとても大切だったんだ。
僕が高校生の頃でも、屋上への立ち入りは禁止されていました。
僕はあの手この手でスペアキーをこっそり持っていたので、
逃げ場所としてよく利用していました。
田舎で、外歩いたって人なんかいやしないというのに、
僕は何だか【人】から逃げようと必死でした。
僕は「人間はぶつかりあって成長しあうもの」みたいなことは全く考えていず、
むしろ余計な揉め事は慎重に避けて通りたいと思っていましたが、
だからなおのこと、本当のことを言い合っている、という他人の姿に感動するのだと思います。