
人物:杉ちゃん92P
オズ先輩の後輩で、純粋のレズビアン。オズ先輩を取り合うライバルでもあり、美術部の仲間でもあった。
時々夜にやってきてただ泣く。
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「杉ちゃん。」
きっかけ(トラウマ)があって同性が好きになる後天的な子と、
先天的に最初っから同性が好きな子でもにおいが違って、
においが違うと恋愛にはならない、とか言ってた覚えがある。
新宿2丁目のおかまバーに出入りしてた頃も思ったが、
彼彼女らの好みは出会いが我々より更に少ない分、
より先鋭的ではっきりしているように感じた。
確かに「ただの友人以上に感じる同性」がいた経験は
僕にもあるが、それはもちろん恋愛ではない。
何が恋愛なのかを知らなければ混同するのも無理はない。
杉ちゃんは一緒にいてとても楽だった。
どれだけ一緒にいても絶対に変な空気にならないからだ。
本物はいい。
「風。」
風が吹いてきて会話が途切れた。
私たちはしばらくその風に吹かれた。
私は何か言わなければいけない気がした。
彼女も何か言われたそうな顔をした。
だから私は何も言わない。
もう言葉で取り繕える季節は過ぎたのだ。
「杉ちゃん。」
描いても描いても納得はいかない。
まあ納得がいったら描かなくていいもんなーと思うと
すぐ次を描かねばという気になる。
何万回もそれが続いている。
その気持ちの底には何があるかと考えれば、
「きっと絵が好きな人は子どもの時から同じように
何万回も同じことを繰り返したのだ。」
というコンプレックスにたどり着く。
そう考えればコンプレックスもそんなに悪者ではない。