「冬が来る前に。」
かみふうせん。
高校生の「僕」にとってヒロインだった演劇部員。
普段は寡黙でぶっきらぼうだが舞台に上がると性格が180度変わる。
よく通る高い声でぼそっと辛辣なことを言うことが多かった。
マエダのことが好き。
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かみふうせん。
夏は夏服、冬は冬服を描くようにはしています。
僕が在学中はなんの個性もない、地味なブレザーでした。
卒業後いったんは制服を廃止したものの、いつの間にか若干今風の制服に戻っていました。
制服が好きっていう趣味もそんなになくて、
ただ服を考えなくていいので楽だというのはある。
校則は厳しい高校だったので
金髪にしたり人と違った制服に改造したりといった子もほぼいず、
みんな上から下まで同じ見た目でした。
まあがんばっておしゃれしたところで
誰に見せるんだって話です。全然人いないのに。
もちろん僕はマキタと夜中に部屋で二人ぼっちになったことはない。
体育祭のクラス打ち上げで調子に乗ったやつが酒を飲ませ、
ふらふらになってるのを介抱したとか、
修学旅行のフェリーで、夕食をマキタ班の部屋にワゴンで運んで
ドキドキしたとか、
演劇部の卒業旅行で「夜、お前の話も結構したで」と後から
オータニに聞かされて何の話をしたんだろうと気になったけど
結局聞けなかったとか、
いずれも他人にとっては退屈な思い出、
努力では人との距離を縮められなかった思い出ばかりが残っています。
大学に進んでから、村木に
距離を取ろうとしているのは君の方だ、と指摘されて
初めて自分とは何なのか考えました。
考えてもわかりませんでしたけどね。
考えに考えた挙げ句、自分は考えているのではなく、
考えたくないんだってことだけはわかりました。
みなさんはどうでしたか。
何をもってアイデンティティを得ましたか。