第3章-11

今まで心地よい沈黙だった関係が崩れて、
僕はなんだか居心地の悪さを感じ始めていた。
でも友情なんだか恋愛なんだかちっともわからない不思議な関係を、
僕はいやだなと思ったことはない。
美術部の後輩「さみだれちゃん」は一言もしゃべらない女の子。
「僕」はそれでもさみだれちゃんと一緒にいる。
【連載中】【現在30P~】
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さみだれちゃんは本当に表情も声も何一つ出さない人だったので、
今にしてみれば気持ちが通じるとか通じない以前に、
気持ちの大部分が壊れてしまっているんだなと思っていた。
でもそれは間違いだった。