2024.4.1
シリーズ:村木SIDE B359P
ピアノ教室で出会った高校生。音大を目指しており、社交的でちょっと情緒不安定。
→本編
ページ内の表示数
「出会ったのではなく出会うようにしたということ。」
僕は与えられたものを面白がれないのです。
自分で見つけたものは、どんなにくだらないことでも
楽しいですが。
「曇天たち。」
自分のことばかりに構っていられないのが
この時代の一番の不幸であり、
自分はさておき会ったこともない他人について
好きとか嫌いだとかどうしても言わなくては気がすまないのは
スマホやネットの依存ではなく、
本格的な自我の欠如という病気だと僕は思う。
僕をいつもとても哀しくさせるのは、
そうやって気まずくならないよう、
いつもその場しのぎの卑屈な笑顔を
仮面のように貼り付けたままになってしまった君たちの
その中身のどろどろした粘液のような汚物に
僕が何も気づいていないとほっとしている姿だ。
「連鎖してゆく。」
もちろんこの「高校の時」は
マキタやヨシダの話ということになる。
僕は「経験が大事だ」なんて言う大人も、その言葉も
大嫌いで一つも言うことを聞きませんでしたが、
激しく嫉妬し、自分でも何をしているのか、
何を言っているのかわからない、
あの一つ一つが、つまり経験であり、
確かにその経験は高校時代を終えても連鎖しつづけ、
僕自身を変えてゆく原動力となった。
やっぱり時代や社会のせいするのは言い訳だと僕は思う。
これを見ている君たちが
何をして君たちになったのか、
それが今、聞きたい。