NEW
2025.6.2

シリーズ:しあわせの時間。223P
僕のしあわせは僕自身が「しあわせだ」と感じなかった時間にこそ存在する。
ページ内の表示数
「その気持ち。」
マキタが果たして、
ただお腹がすいていただけなのか、
それともしょんぼりとしている僕に気がついていたのか、
今となってはもうわからない。
が、マキタもまた人の気持ちによく気がつく人間であり、
僕と同じく直接わかりやすい言葉で伝えるということが
できない性格だったのは間違いない。
僕は人に気を遣うのも気を遣われるのも好きではない。
だからほっといても勝手気ままなわがまま人間についていき、
世話を焼く方がどちらかと言えば好きだ。
ただもしこれがマキタなりの気遣いなら、
僕はとても嬉しく、だから覚えている。
人の気を遣うということは、
人に気を遣わせないということだと思う。
ほとんどの人間はそれができない。
気を遣っているそれを知ってもらいたいと思っている。
だから互いに気を遣いあう。
それがいい時もあるし、イライラすることもある。
優しいにも色々ある。
それはどれくらい人と深く関わってきたかによる。