2024.4.1
トオイヒビ5「更衣室、マキタ、不愉快。」
更衣室を覗いたことがあるわけではないけれど、
大体いつも不愉快そうな顔をしていた。
フォロー0、ツイートは全て手書き、必ず落書きを入れる、という縛りで始めたTwitter-日々ジブンガタリ
もう誰の顔色も伺わない。
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更衣室を覗いたことがあるわけではないけれど、
大体いつも不愉快そうな顔をしていた。
本番の、舞台でスポットライトの当たった別人のようなマキタも
よく覚えているが、
普段冷静であまり反抗的でないマキタが、
ずいぶんモジャモジャとオータニに向かって文句を言っている、
僕はそれが珍しくて、
何かの箱を運びながら横目でちらちらと見ていた。
さみだれちゃんの一番好きだったところは、
かわいいと思うものに「かわいい」と反応しないところで、
いつも態度は何でもなかった。
だからこそごくごくまれに僕に見せた、
ほんのわずかな感情の揺れが、
大きな価値をもって僕を揺さぶった。
写真を見て描いた。
打ち上げだったか何だったか記憶がない。
日付が1992年7月19日。
夏休み?終業式?
私服だから夏休みだろうか。
オータニが珍しくメガネをかけて髪を束ねている。
マキタは相変わらずつまらなそうだ。
美術室は刺激のある油絵具の匂いがたちこめている。
そこでみんなで料理して食べる。
若い。