2024.4.1
「夏の終り。」
27年前には、まだ夏の終りも秋の始まりもちゃんとあった。
大学の美術部で2学年上だった先輩は、「僕」の憧れだった。
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27年前には、まだ夏の終りも秋の始まりもちゃんとあった。
僕は僕だけを見て欲しいとは思わない。
僕ではない何かを見ている人が好きだった。
許せないことを許せるようになるのは、
許さなかった結果、更に色々なものを失ってからだ。
「飽きたら終わり」は10代の関係で。
その後は飽きたり飽きられたりしながら、それでも続いていく関係だけを求め、作ろうとする。
それが作れずにすぐ断絶の道を選ぶのは
まだ自分が自分になっていないからだ。