2024.4.1
「さみだれデイズ。」
一緒に写った写真は一枚しかない。
黙々と山野を歩き回ったのももう20年以上も前の話で、
今は100メートル歩くのによろよろとしている。
僕もさみだれちゃんも猫背だった。
今は腰が痛くて猫背の体勢もままならない。
美術部の後輩「さみだれちゃん」は一言もしゃべらない女の子。
「僕」はそれでもさみだれちゃんと一緒にいる。
→本編
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一緒に写った写真は一枚しかない。
黙々と山野を歩き回ったのももう20年以上も前の話で、
今は100メートル歩くのによろよろとしている。
僕もさみだれちゃんも猫背だった。
今は腰が痛くて猫背の体勢もままならない。
最初からざっと描けば短時間でこのざっとしたぼんやりした感じに
たどり着けるはずなのに、
わざわざきれいな線を引いて影もつけて
きっちりと描いたあとに徐々に雑に変えていく。
10分くらいで描いたように見せたいために
4時間を使うという無駄の極みばかり繰り返している。
こうやって言わなければ10分で描いたんだろうな、
くらいの感想しか湧いてこないだろう。
AIがものの数秒で50時間くらいかかるような密度の絵を生成してみせる。
その逆をやってみてはどうだろうかと思った。
あんまり意味はなさそうだ。
でも絵を描くことになんて元々意味はなかったのだと僕は思う。
段々頭の中の嗤い声が大きくなっていく。