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1:2020.7.16 (21:51)

「ある種の潔癖。」

まだ仲良くなる前のお話。

風景とか建物とか動物とか絵の対象としては1ナノメートルも興味がなかった。
そんなものは定年後の有り余る時間で、寿命尽きるまで細密に描けばそれでいいと考えていた。

面白いのは人間だけだ。

3:2020.8.6 (0:40)

「明るい卑屈。」

これではいかん、何でもいいから明るく軽く人と接しようと
努力した時期があった。

一回どうしようもないところまで嫌われてから、
段々自分のいいところをアピールしようと思った。
素直でまっすぐな性格にはどうしたってなれやしないのだ。

しかし想定外のことが起きる。
一瞬で僕はまた、卑屈な自分に戻る。
それでもこの明るい卑屈は、奥崎に許された。

4:2020.8.7 (17:15)

「まるで暑中見舞いみたいに。」

僕にはいつだって未練がある。
だから「また」と言ってしまう。
またはない。偶然も必然もない。
終わったのだ。こんなにも呆気なく。

ちゃんと目の前で向き合ってサヨナラしたのに
ああなんだか暑中見舞いのように遠い。

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