だらだら読める一覧ページ

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「夜のうた。」

どうしてこう、人間てうまくいかないんだろう、
とずっと思っていたのです。

ビクビクしていても、堂々としていても、
たくさん話しても、押し黙っていても、
結局最後は噛み合わない。

かなしい。

結局それが常に人の顔色をみて行動している
自分自身に問題があったのだと気づくまで、

僕は心のどこかで僕は悪くない、君が悪い、
と思っていたのです。

かなしいとかさびしいとか、
そんな言葉で
君を追い詰めていたのです。

「ちがい。」

自分が「本当はこうしてほしかった」という
さみしい気持ちでそれを人にしてあげても、
大抵自分勝手で押し付けがましい善意になります。

人に優しくしてもらったことがなければ、
人に優しくすることはできないのだと僕は思います。

そう言うと、
じゃあそんな経験のない自分はどうしたらいいんですか、
だめなんですか、と訊かれます。

なんて答えて欲しいんですか。
大丈夫だよ、これからいいことだってある、
なんて僕は絶対言いませんよ。

わかりません、と答えます。
それは君次第です。

「そして裏垢で死ねと叫ぶ。」

もちろん話なんか最初から合うとは思ってないわけで、
人間に共通する普遍的な暗部をついて、それに沿って
話を合わせていく、というのが僕の距離の近づき方なのですが、

なんかこう、単純なところは単純すぎ、
警戒するところは警戒しすぎで、
若干成長したAIと話してるような違和感があった。

確かにこれだと人を好きにならないのも何となく理解できる。
何かがあって好きになれないのではなく、
好きになる能力がそもそもまだ生まれていないのだ。

いよいよもうおじさんは雑談さえ許されないんだろうか。

トオイヒビ「ラスボスの木。」

僕たちの高校の、一番人通りのない裏側に、
奇怪な形の巨大な木がありました。

僕はそれを「ラスボスの木」と呼んで、
人に見られたくない時の
待ち合せ場所によく使っていました。

授業中、小さな付箋に「ラスボス」と書いて
お互いの教科書に貼りつけたりね。

夕暮れ。
誰もいない校舎裏のラスボスの木の前で
一人ぼんやり立っているマキタは

勇者のようでもあり、

迷子のようでもありました。