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「夜に描く。」

当時の友人には、
「好きな人と自分の部屋にずっといてそういう気分にならなかったのか」
とたびたび訊かれた。
ならなかった。
多分ヌードデッサンの授業で変な気分にならないのと同じだ。
あるいは僕は先輩のことを好きじゃなかったんだと思う。
触れてはいけないという壁を自分で作って、
頑なにそれを守ることを恋愛と錯覚していたのかもしれない。
ただ一度だけ、
それを破って僕は先輩に触れた。


