2024.11.15 (2:00)
汚い格好の先輩が好きだった。
僕のモデルになってくれた日も、どう見てももっと年上…おばさんとか…のお下がりで
糸がほつれたようなセーターと破れたジーンズでうちに来た。
僕は先輩が欲しかった。
何をしてでもその関心を買いたかった。
先輩が与えてくれる世界は
いつもくすんだ色で溢れていた。
その言葉をすべて書き留めておくほどに
僕は先輩に近づきたいと思った。
安らぎを与えてくれる人はたくさんいた。
安らぎと共にいると僕はなめくじのように弱くなった。
僕は先輩の体にそっと手を回した。
先輩はぽつんとそれはお前が寂しくなるだけだ、と言った。
窓の外の月は僕たちを全て見ていた。