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「成熟。」

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もう先輩がどんな声をしていたのか、あまり思い出せない。
いつも僕ばかりしゃべっていたからかもしれない。
高くも低くもなく、
速くも遅くもなかった。
「ん?」という気のない返事だけが
記憶に残っている。
先輩はたくさんのことを教えてくれたが、
先生のように教えてくれたわけではない。
本人もそんなに僕に影響を与えたとは思っていないだろう。
勝手に僕がついてまわって、
先輩の読むもの、見るもの、聞くものを
真似していただけの話だ。
幸せだった。
誰かに強い影響を受け、盲信することが。
先輩以降約30年、僕はそんなにも誰かを盲信したことはない。

プレゼントとか土産物とか、
考えるとへとへとになるんで
欲しいものを言われたい。
家内ちゃんのように「埋蔵金」とか
言われても用意できないが…。

よく言われるように、ピアノを弾く時楽譜なんて読んでません。
ぱっと全体を見て、なんとなく画像として認識している程度です。
改めて本や詩を読むように楽譜を読むと何かしらその記号から
伝わってくるものがあり、よく考えると不思議です。
もし人との会話をこのオタマジャクシだけでできたら
もっと直接的に気持ちが伝わるんじゃないだろうか。
そんな風に考えたこともありました。
家内ちゃんはどれだけ掘り下げても「12年」以外の
話題が出てこないので、
よっほど習い事のエレクトーンが嫌だったようです。
あなたはどうですか。昔ちょこっとピアノ習ってたりしましたか。
大体それがトラウマになってることが多いんですが、
弾けなくても読めるとそれはそれで不思議な読書体験が
できて暇つぶしにはいいと思います。