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村木:SIDE B「⑭:黙ってんじゃねえよ卑怯者。」

村木:SIDE B「⑭:黙ってんじゃねえよ卑怯者。」

女の子が泣くことにももう慣れた。
村木にしろ家内にしろ、僕が何をしたところで泣くんだ。

妙に気取って「本当の気持ちしか言いたくない」だなんて、
お前は一体何様のつもりなんだ。

そんなことを言って、
自分のことばかり見てばかりいるうちは、
誰ともつきあうことなんか出来ない。

「カフェの思い出。」

「カフェの思い出。」

もうほとんどの思い出の店はなくなってしまった。
20年も経つんだから仕方ない。

逆になくなってしまったことで、
僕の思い出はより強固なものになる。

一人でぼんやりした喫茶店は内装をよく覚えている。
誰かが好きで、誰かと一緒にいった喫茶店は、
その内装や外観はちっとも覚えていず、

ただ、その人だけを覚えている。

「温度差。」

「温度差。」

「いいお友達でいましょう」
の「友達」の解釈を巡って、色んな失敗をする。

友達だと思っていたのは自分だけだったりする。
個人主義になってますます強くなるそんな傾向と、
そうした失敗から「二度と簡単に人を友達だと思ったりしない」
という意固地と、それもまた青春のなせる軋轢で。

段々楽になる。
間違わなくなる。
わかってしまう。

それは本当につまらないことだよ。

「教育。」

「教育。」

基本的に「褒めて伸ばす」はその後に来る「ダメ人間になる」「自分で気づくまでダメなまま」を
セットにして考えるべきだ。

僕は自分の一挙手一投足を大げさに全面的に肯定された育った結果、
常に顔面に汗をかいている高校生となった。

僕がこの呪縛から逃れるのはいつか。
まだ逃れていない気がするんだ。

ただ、この方法で育つと、
しにたいほど落ち込んでも絶対にしなない、
しにそうになると自分の都合よく自分を全肯定するスキルが発動し、
何をやってもバラ色になる、という利点がある。

僕はいつもバラ色だ。
ただし、そのバラは咲かなかった。