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「絵。」

「絵。」

先輩はいつも貝の絵を描いていた。
だから僕は貝が好きだ。

だから貝を描いた。
先輩はそんなもんいらんと言った。

先輩の絵が欲しかった。
先輩は決して人間を描かなかった。

何故だったのだろう。
見たくないものまで見えてしまう先輩。
貝のように貝ばかり描く先輩。

「返事。」

「返事。」

僕が手紙を好きだった理由は、メールがここまで普及した理由と同じだ。

リアルタイムで好きだと言ったり嫌いだと言われることが
怖かっただけなのだ。

雨が降っていた。

マキタも僕も、何もしゃべらなかった。

村木:SIDE B「⑮:んなこと言ってもだな。」

村木SIDEB⑮「んなこと言ってもだな。」

「断ち難い片思いの未練」と「絵に描きたい」は
僕の場合は別れていて一緒ではない。

絵に描きたい人と好きな人も全然違う。
いっぱい描いて、その人と仲良くなれたことは全くない。

これはあれかな、アニメキャラを好きとか、
そういうのと同じことなんだろうか。

いやちがう。

断じて違う。

「真夜中の孤独。」

「真夜中の孤独。」

夜中になるとTwitterにしろ何にしろ、
憂鬱で孤独なツイートが増える。

僕自身も、夜中に絶望的に襲ってくるあの孤独感を知っているだけに、
そうした暗いツイートもわかる気がする。

パソコンなどない時代の大学生である僕には
夜中の孤独を吐き出す場所がなかった。

でもただただ蓄積していく憂鬱が、
今となってみれば何がしかの原動力だったのだと知る。

言葉で気楽に吐き出さない方がいい。
それはきっと、君を薄っぺらい人間にしか育てない。