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「絵。」

先輩はいつも貝の絵を描いていた。
だから僕は貝が好きだ。
だから貝を描いた。
先輩はそんなもんいらんと言った。
先輩の絵が欲しかった。
先輩は決して人間を描かなかった。
何故だったのだろう。
見たくないものまで見えてしまう先輩。
貝のように貝ばかり描く先輩。
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先輩はいつも貝の絵を描いていた。
だから僕は貝が好きだ。
だから貝を描いた。
先輩はそんなもんいらんと言った。
先輩の絵が欲しかった。
先輩は決して人間を描かなかった。
何故だったのだろう。
見たくないものまで見えてしまう先輩。
貝のように貝ばかり描く先輩。
僕が手紙を好きだった理由は、メールがここまで普及した理由と同じだ。
リアルタイムで好きだと言ったり嫌いだと言われることが
怖かっただけなのだ。
雨が降っていた。
マキタも僕も、何もしゃべらなかった。
「断ち難い片思いの未練」と「絵に描きたい」は
僕の場合は別れていて一緒ではない。
絵に描きたい人と好きな人も全然違う。
いっぱい描いて、その人と仲良くなれたことは全くない。
これはあれかな、アニメキャラを好きとか、
そういうのと同じことなんだろうか。
いやちがう。
断じて違う。
夜中になるとTwitterにしろ何にしろ、
憂鬱で孤独なツイートが増える。
僕自身も、夜中に絶望的に襲ってくるあの孤独感を知っているだけに、
そうした暗いツイートもわかる気がする。
パソコンなどない時代の大学生である僕には
夜中の孤独を吐き出す場所がなかった。
でもただただ蓄積していく憂鬱が、
今となってみれば何がしかの原動力だったのだと知る。
言葉で気楽に吐き出さない方がいい。
それはきっと、君を薄っぺらい人間にしか育てない。