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「自然と不自然。」

養老孟司先生は「都市は意味のあるもの以外ない」
というようなことをいつも述べている。

人間を中心にした、全てに意味をでっちあげた世界なのだ。
緑があるとか空気がきれいとか、そういう話ではなく、
僕たちはその意味に対して疲れ果てる。

余呉湖も有名な桜の観光地ではあり、
それなりに人もいるわけだが、
晩秋の辺りからはまるで人影がなくなった。

長く続く沈黙の間、
僕たちは自分たちから意味を排斥する。
こんな楽しい時間はないだろう。

「そんなの僕だけかもしれないけど。」

飯食いにいってもそうだが、
どの店も当たり前のように完璧だ。
店員が態度悪いとか言われてる店だって、
僕から見れば大概は許容範囲。

その企業努力には頭が下がる。
文句のつけようがない。
ゆるい店もある。
でもそれはゆるさを徹底して追求していたりする。

さみしい、さみしい。
呼吸が苦しくなる。

「孤独たち。」

僕がこれで何より傷ついたのは、
僕は勝手にムロイを仲間だと思っていたからだ。
確かに性格は嫌いだったが。

ああ、結局俺ではダメなのだなと思った。
その、「俺がいてもなあ」というぼんやりとしたがっかり気分は、
この歳になってもまだずっと続いている。

だから僕は、僕を中心として人を集めるのは得意だが、
その輪に自分自身が入っていくことは苦手だ。