「先輩と杉ちゃん。」
僕は僕自身が見て聞いたことでないと、
100%の嘘になってしまうのが怖くて
必ず自分を画面に混ぜていたのですが
(画面外から見ている僕、も含めて)
やっと大体いいかけたことは言えたような気がして、
少しづつ「僕のいないお話」を
描いてみたいと思いつつ。
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僕は僕自身が見て聞いたことでないと、
100%の嘘になってしまうのが怖くて
必ず自分を画面に混ぜていたのですが
(画面外から見ている僕、も含めて)
やっと大体いいかけたことは言えたような気がして、
少しづつ「僕のいないお話」を
描いてみたいと思いつつ。
僕は誰も傷つかない話より
どう傷ついてもちゃんと自分で立ち直って
生きてゆく話が好きです。
彼女たちの話を実際に聞いたわけではないですが、
必ずこんな話をしてただろうと僕は思います。
これゲームとかじゃなくって、
誰とつきあっても大体こんな喧嘩と仲直りをする
と僕は経験上知っています。
これをめんどくさいなあと思って
適当に流すことだけうまくなると
後悔する。
必ず後悔する。
僕がそうだったから。
色と音のある、
にぎやかな楽しい夢を見たいのに。
だから俺は前田のグループへ行けと言ったんだ。
こっちでいいと言うから、
僕はずっと楽しみだったんだ。
なんだよ。
と僕は内心怒った。
高校生はせっかちだ。
待つことが出来ない。
ただ見えているものから、
見えていないものを想像することが出来ない。
勇気を出した、とかそんないいものではなく、
ただこみ上げてくる感情に勝手に体が動く。
僕はあの感情をよく覚えている。
あの感情が、次第に弱くなっていく虚しさも
よく覚えている。
そしてそんな感情もかき消えてしまった今、
初めて僕は
あれが俺の青春だったのだ、と
寂しい気持ちで描いている。
油絵を描く時は汚れるのでエプロンか何かを着る。
たいてい僕たちは大学の生協で、
理系学生用に売っている白衣を利用した。
白衣は小さい先輩には大きすぎてぶかぶかで、
僕はなんだか、ずっと見てしまう。
もう大概の映像を見ても何ひとつ感想が出てきやしない。
ほんま、口だけや。
もっちもち。