
ピカソの青の時代、とりわけこのイラストの右上に入れた「人生(La vie)」は
絵を描いたり見たりするのが好きなら、
必ず思春期に通過する一枚かと思う。
僕もロートレック、ムンクと並んで、
毎週下宿の壁にかけるポスターに入っていた。
テレビもパソコンもない大学時代、
タバコと本と、そして壁のポスターが
唯一の夜のお供だった。
青の時代の作品に描かれた、貧困・病・苦悩・死は
青年にとって重大なテーマであり、かつロマンティックでもある。
ただ僕は、それらの作品を眺めながら、
ふいにやってきた奥崎となんのことはなく、
いちゃいちゃと楽しくやっていたのだから
僕のはなんちゃって青の時代でしかない。