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「薄暮。」

例えばメールやチャットのように相手の顔が見えない方が言いたいことを言える人と、
顔を合わせていた方が安心して言える人とがいて、

僕はどちらかと言えば後者であり、
業務連絡はパソコンのが楽ですが、
コミュニケーションとなると途端にだめになってしまいます。

一方的にこうして独白をしている分には
そんなに気にはならないのですけどね。

そういう人もいるとは思うんですが、
現実の対人恐怖の例ばかりがとりあげられて
あまりネット限定の「コミュ障」というのは問題にされません。

僕はネット用の人格を作ったりは上手くできないので
いつもむき出しのまま怒ったり沈んだり喜んだりしているわけですが
それが人をいらいらさせるのかもしれません。

「直観。」

あなたはこういうことを言ってこういう行動をしたから
こんな考えのこんな人ですね、なんて自分はさておき
人の分析ばっかりやってるやつが本当イヤでね。

自分の話をしたくないなら人の話もしなきゃいい。

その人に何が見えているかは
急いで語ってもらわなくてもしばらく一緒にいればすぐわかる。

「『洗濯女』のあるヌード。」

引用:ロートレック「洗濯女」

「洗濯女」ってご存知ですか。
文字通りお金をもらって洗濯する女性、及びそういう職業を指します。
16世紀くらいから主にヨーロッパで存在した職業です。

今でいうクリーニング屋さんか、というとちょっと違います。
洗濯女はお金持ちの下で低賃金重労働をせざるを得ない、
身分の低い女性のことです。娼婦や踊り子も近い存在でした。

僕の大好きな画家ロートレックは代々続く貴族の出身です。
代々続いたが故に、血が濃くなってあのような姿になったとも言われています。
(教科書的には落馬事故で足の発達が止まったとなっていますが)

そのせいで父親に疎まれ、劣等感の塊となった青年ロートレックは、
好んでこうした身分の低い女性の世界に共感し、入り浸ることになります。

その気持ちはなんだかひどくわかります。
僕はもちろん貴族ではありませんが、
大学生の頃は貧しい労働者こそ尊いという考え方でした。
不自由なく育ったブルジョアのエリート青年が
頭の中だけで革命と理想に取り憑かれるのと同じです。
不自由のない人間には不自由がないなりの劣等感があるのです。

それらの暗い情熱はやがて現実の中で矯正され、
社会の中で変節していきます。僕もそう。

だから変節できずにそのまま破滅していった芸術家の
作品が好きなのです。