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「校舎裏。」

高校の裏は公園でした。
公園といっても整備されたものではなく、
ほったらかしの築山のような場所。

文化祭の準備で夜遅くなった時、
駅に向かう前にそこにあった小さなあずま屋で
ちょっとしゃべったりしました。

大した話なんかしなかったと思います。
ただ話したことだけが記憶に残ります。

「私は見ている。」

さみだれちゃんは近しい人の死が原因でしゃべれなくなった子でした。
僕と出会った時はまだそのショックが癒えておらず、感情もほとんど表現できなかった。

時々ただじいっと見ているその目をよく覚えている。

僕もまだ20代で、僕がなんとかしてあげなければならないという使命感みたいなものがありました。
結局僕は何もできず、結果的に家内ちゃんを選ぶことになります。

正義と愛と使命だけでは誰も幸せにはならないのだと、身を持って知りました。