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「夏合宿。」

男は先生と僕のみ、あとは全員女子である美術部の合宿は理不尽なことばかり。
僕はいつも重い全員分のイーゼルとキャンパスを先生の車に積み、夜のための花火などを買い、アイスを買い、奔走した。
疲れ果てて合宿から帰宅すると、両親が「お前はまた女の子にたかられたんだろう」などとしつこくひやかし、僕のペーソスは誰にも理解されなかった。
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男は先生と僕のみ、あとは全員女子である美術部の合宿は理不尽なことばかり。
僕はいつも重い全員分のイーゼルとキャンパスを先生の車に積み、夜のための花火などを買い、アイスを買い、奔走した。
疲れ果てて合宿から帰宅すると、両親が「お前はまた女の子にたかられたんだろう」などとしつこくひやかし、僕のペーソスは誰にも理解されなかった。
絵を描き始める理由は人によって様々だと思うけれど、僕はマキタに僕自身を知ってもらいたくて描き始めた。
もちろん、君を描いたなんて言える筈もなく、絶対に誰にも見られてはいけないと思いながら、マキタにだけは見られてしまえばいいと思っていた。
マキタは本当は知っていたことを、後で知る。
僕はいつも余裕がなく、一人でカリカリとして自滅していました。
そして大体そうした余裕がない時に限って噛ませ犬になっている自分にふと気づき、例えようもなく落ち込みました。
いまだに余裕がありません。
噛みたいです。噛ませるより噛みたいのです。
そうやって卑屈になるから、こうなる。
美術部と天文部は隣あっていて、部長同士仲がよく、お互いに侵食しあうテリトリーが一切ないことからさかんに交流があった。
総勢25名の美術部は部長の僕を除き全て女子部員で、どちらかと言えばイマドキの、ギャルな生徒が多く、比較的大人しい成績上位者が集まる天文部は、僕の癒やしの場所でもあった。
ヨシダもまた、入学した時点から抜群に優秀だった。