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「逃亡。③」

「逃亡。③」

僕は当時、深刻な分離不安に悩んでいた。

とにかく知ってる人でも知らない人でも、誰かが自分から離れていくことに異常な恐怖を感じるのだ。普通であれば(同級生や恋人であれば)一発で嫌われるだろう。
そういう意味でもたくさん迷惑をかけた。

この地を自ら離れ、上京した瞬間、たちどころに治った。
僕は甘えていた自分にやっと心から気づくことになる。

 「逃亡。②」

「逃亡。②」

「逃亡。②」

最初から居場所のない人間は孤独ではなく、段々居場所がなくなっていくから孤独なんだ、と当時の僕は思っていた。

何度ももう絵なんぞ描いていても意味はない、と思ったが、「私は幸せになったから描くのをやめたのだ」という先輩の言葉が、その呪いが、

僕自身をいつまでも縛って決してやめさせてくれず、悶々と鬱屈した毎日を送った。

 「逃亡。①」