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「体育祭。」

僕は足が遅かった。足が哀しいほど短く、よくペンギンみたいだとからかわれた。
マキタは足が速かった。文化部の癖に小動物のようにすばしっこかった。
マキタは僕の、ヒロインじゃなく、ヒーローだったんだ。
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僕は足が遅かった。足が哀しいほど短く、よくペンギンみたいだとからかわれた。
マキタは足が速かった。文化部の癖に小動物のようにすばしっこかった。
マキタは僕の、ヒロインじゃなく、ヒーローだったんだ。
一人でうだうだ腐るのは楽しいが、
二人で、
あるいはみんなでうだうだ腐るのは悲惨以外の何者でもない。
一人で腐って一人で死ね。
マキタとオータニが二人の時に何を話していたのか、もちろん僕には知るよしもないが、
日頃の二人をよく見ていればいるほど、色んなことを想像したりしたんだ。
段々セキグチが本当にいたのか僕の妄想なのか心配になってきたので、
先日実家の母に電話した際、聞いた。
小中高と同じ学校だった筈、と思っていたが、幼稚園も一緒のようだ。
「ナッちゃんだけとちごうて、あんた誰でも気の強い子やとすぐ尻に敷かれとったに。
よう泣かされとったんで、ばあちゃんも死ぬまで心配しよった。あんた嫁ちゃんにも頭上がらんやろうんぬん」
と言っていた。
しょんぼりした。