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「風。」

風が吹いてきて会話が途切れた。
私たちはしばらくその風に吹かれた。

私は何か言わなければいけない気がした。
彼女も何か言われたそうな顔をした。

だから私は何も言わない。
もう言葉で取り繕える季節は過ぎたのだ。

「いつかまた。」

昔っからまとまった時間眠るのが上手くできなくて、
2時間を3回とか、食事のように眠ることが多かったんです。
多かったというか30年くらいはそんな日ばかりだ。
いつもどこかで寝てるからぼんやりした眠たい人だと思われることも多い。

いやなんですよ。ちゃんとまとめて眠ってすっきりと起きたいです。
一昨日も、昨日も、今もそう思いながら
眠るとやっぱりどうにかなってもう絵も描けないんじゃと思うと
泥のような意識のまま、なんか描いてる間に朝になってしまいます。

よくないねえ。
楽しくて仕方なくって寝ないのはいいけどね。

「私はお前が嫌いだ。」

僕は相手が何をそんなに怒っているのか、いつもわかりませんでした。
きっと今もわからない気がします。

僕はいつも自分を正しいと思っています。
しかしそれは「君は間違っている」と言いたいわけではないことも
説明することにしています。

でもそんな説明は無意味です。
感情の前には言葉など人の耳には届きません。

思春期のいっとき、自分の感情も他人の感情も
ひどく鬱陶しく、気味が悪く、機械のようになりたいと
思った季節がありました。

顔だけは能面のようにできましたけどね。
結局心は常に荒波のままでしたから、これも無意味でした。

「私はお前が嫌いだ」
と君は僕に言った。

僕は一体その瞬間何を思い、何を考えただろう。

そんな一番大事なことだけが日記に残されていない。
何も感じなかったのかもしれません。

人の感情は僕を静かに、小さく、無にします。