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「さみだれデイズ。」

月光。
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月光。
僕たちは狂人を恐怖する。
だが最も恐怖と不安の世界に住んでいるのは
狂人本人である。
「嘘でもいい」を「バーチャルでもいい」に言い換えれば
今の時代でも同じだと思う。
時々強い風が吹いて教室中のほこりを巻き上げる。
原型はまず無意識に目で追うところから始まる。
やがて目で追っている自分を自覚する。
しかしその感情が好きだということを
なかなか飲み込めず、否定する。
元々話好きではない上に、
余計しゃべらなくなって考え事をする日々が続く。
そうした気配を察してマキタは逃げる。
マキタが逃げるので仕方なくオータニと仲良くする。
オータニは話しやすい。放課後捕まえて長々と話す。
オータニはにやにやと聞いている。
マキタは遠くで見ている。いやそうな顔をしている。
それが僕の覚えている「最初の頃」だ。
最初の瞬間には、いつだって強い風が吹いている。