2024.4.1
「それもしかして私?」
誰もいない夕暮れの美術室は、少し背徳感がある。
夢中になってマキタを描いているうちに、ふと背後に立っていて、バレた。
バレたら困る、とも思ったが、バレて欲しい、とも思っており、
両方本心だったような気がする。
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誰もいない夕暮れの美術室は、少し背徳感がある。
夢中になってマキタを描いているうちに、ふと背後に立っていて、バレた。
バレたら困る、とも思ったが、バレて欲しい、とも思っており、
両方本心だったような気がする。
イベントごと(体育祭とか文化祭とかクリスマスとか)の記憶は甚だしく薄いが、
毎日毎日えんえんと繰り返される同じことの方が
実は鮮明に記憶に残っている。
生活には青春も何もない。
ただ人のみにそれがある。
これはよく覚えているから折に触れて描くのだけれど、
本当のことを言えば、
「マキタがいつも廊下で聴いてるよ」と教えてくれた演劇部員がいるのだ。
気配はドアの窓に人影が映るので気づくのだけれど、
もしかしたらマキタではなかったかもしれないね。