
本来この場所は鍵がかかっていて学生は入れないが、
僕は非合法な手段によって合い鍵を得ていた。
誰も来ないこの西階段は話をする場所によく使った。
僕は何より「邪魔が入る」ことを嫌った。

本来この場所は鍵がかかっていて学生は入れないが、
僕は非合法な手段によって合い鍵を得ていた。
誰も来ないこの西階段は話をする場所によく使った。
僕は何より「邪魔が入る」ことを嫌った。
マキタは旧校舎の階段踊り場に一人座っている。黒髪のショートカットで、頬杖をつき、少し俯き加減で遠くを見つめている。その表情は笑わず、憂鬱そうで何かを考えているようだ。古びた木製の階段が、静かで物悲しい雰囲気を醸し出している。