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「ただの愚痴です。」




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大学生活前半、僕を支配していたのは「不安」であり、
人間の不安を初めて絵画として表現したエドヴァルド=ムンクに惹かれたのも納得です。
ムンクと言えば「叫び」が有名ですが、
僕は「思春期」「マドンナ」そして「病める子」に強く影響を受けました。

痴情のもつれからピストルで指を吹き飛ばされたりなど
不安と譫妄の中で生きる、いかにも芸術家らしい人生に見えつつ、
割りと早いうちに成功して金持ちになり、国を代表する名士となり、
結局80いくつまで生きた、
その辺が常に不安と憂鬱を抱えた僕にとって救いでもありました。
一時期は実際にノルウェーに留学しようと準備していたくらいです。
僕の北方への強い憧れもムンクから来ています。
不安や憂鬱はそのまま不安や憂鬱でよく、
どうしたらそれでも破滅せずに済むのか、
そんなことを考えながら当時は毎夜ムンクの画集を眺めていました。

「感じの悪い子が実は優しくて明るい子だった」よりも
「明るくて優しげな子が実は湿った暗い子だった」の方が
僕には魅力的に映りましたけど。
前者は「不良がばあさん助けたらみんな大感動」的でいやだ。
