だらだら読める一覧ページ

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「沈黙。」

ネットでは自分を下げる方がウケると思っている人が多く、
いまだにリア充がどうみたいなことにこだわったりする人もいますが、

実際教え子でいつも自分は非モテ非モテと喚くようなやつでも、
お前ちょっと高校の卒業アルバムもってこいと言って
これが誰でどういうやつみたいなことをしゃべらせると、
なんだかんだ言ってしゃべりながら思い出し、
センチメンタルな自分語りを始めたりする。

僕はそういうの好きなんですよ。
「なんだお前、結構しゃべるじゃねえか」
ってニヤニヤしながらつっこむの。

別に恋愛の話なんかじゃなくていいんです。
こいつが嫌いだった、この先生がクズだった、高校最悪だった、
そんな話でいい。

それは君しか知らない君の世界の話です。
僕は君の頭の中にだけあるものを知ることが好きなのです。

変でしょうか?
僕はねえ、調べればわかる話を君としたくないのですよ。

—–

体育祭のクラス打ち上げでカラオケに行き、
騙されてアルコールを飲まされたマキタは気分が悪くなりました。

僕は無理やりマキタを連れ出し、背負って帰りました。
そりゃあ嫌だったと思いますよ。
いいことしたなんて僕も思っていません。

僕は熱血な性格ではない。
その時はクラスの連中が嫌いで仕方なかった。
だからそういうことをした。
多分、あの頃しかできなかったことだと思います。

僕は今年も僕の話をします。
君も誰かを捕まえて、自分の言葉で自分の話をするといい。

「月光。」

やがてかわいいかわいいだけでは
やっていけない時は来る。

そんな時、いつも空に月が出ていた。

さみだれちゃんも最後が描けなくてそのままになっている。
さみだれちゃんは村木を描き終わった日から描き始めて、
途中まではよかったが、最後を表現するそのレベルが足らず、
だめだ画力を上げないと描けねえと焦っている間に8年経ってしまった。

画力上がったんだろうか。
自分ではそういうの、わからないんだ。

「青春モノクローム女子大編。」

オズ先輩は隣の女子大に在籍していた。

女子大にはペアになっている大学がある。
京都女子は京大と、同志社女子は同志社と仲が良いといった、
決められているわけではないがなんとなくそういう空気があった。

京女も同女も男子禁制が徹底されており、
許可証を持ってなければ親兄弟でも入れないという秘密の花園だった。
僕は一度、夜中に田辺のあの巨大なフェンスを人力で登って潜入しようとしたが、
もちろん不可能だった。
秘密の花園は魅力的だ。バーネットの小説でなくとも。

女子ばかりのサークルはつまらないという子は男子のいる大学のサークルに来る。
大学のサークルは基本、どの大学の大学生でも入れる。
大学生でなくても多分入れる。
大学のサークルはそうしたごった煮の空間である。

オズ先輩は女子大の美術部にいたが、
ウラ先輩(まだ漫画には登場していない)というへんてこな先輩に連れられて
僕の所属する美術部に来た。
僕が入学する2年前の話である。

僕は牧歌的で飲み会ばかりの美術部に飽きており、
顔の広いオズ先輩と仲良くなったことで積極的に他大学の美術部と交流するようになり、
そこで出会った人たちと大学生活の後半を過ごすことになる。

R大学美術部の奥崎ミチルもその一人である。

杉ちゃんナナさんは僕の美術部には来なかった。
杉ちゃんは真性のレズだったし、ナナさんはイケイケのお姉さんに見えて
案外奥手だったから。女子大の方の美術部で満足だったのだろう。

ウラ先輩に無理やり連れてこられたオズ先輩は、
元々自己紹介に「男になりたかった」と書くような人だった。
本当は女子大には行きたくなかったのかもしれない。

残念ながらオズ先輩について書いた日記に比べて、
杉ちゃんやナナさんの日記は極めて少なく、
手紙のやりとりと記憶でしか描けない。

僕は仲良くなりたい人がいると、
その周辺から友達になっていく。
杉ちゃんやナナさんを頻繁に呼び出したり出されたりしながら
先輩の情報を集めることになる。

さて、だいたいはその程度の話で、
特に杉ちゃんともナナさんとも何が起きたわけでもない。
オズ先輩にとって僕が出来の悪い、メンヘラ気質の後輩でしかなかったのと同様に、
杉ちゃんやナナさんともそんな関係だった。

マンガに描くには何か物語があった方がいい。が、何もない。
何もないけど、今年はちょっと話を作ってみようかという気になっている。