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「青春美術部。」
何のために面倒くさい思いをし、時間をかけて絵なんか描くんだろうか、
俺は何をやってるんだろうか、
そんな風に考えることもたびたびあって、
どこかで「俺は本当は絵なんて好きじゃない、ただの排泄行為だ」と
斜に構えているところもあった。
先輩がすごいねと言うような絵を描けば、
先輩は僕のことを見てくれるかもしれない、
そんな、今となればしょうもない媚を、
僕は自分に言い聞かせながら売り続けていたと思う。
それでもなお、僕は先輩に褒められたかった。
一言でいい、がんばったなと言われたかった。
情けない話ではあるけれども。
「期待。」
どうなんだろうね。
いつまでも期待させられても後にひきずるだけではあるんだけど、
自分がその立場の時は
ひきずってもいいから期待していたい気分でもある。
「見るでもなく見ないでもなく。」
マキタは全然僕を見てくれない、と哀しい気持ちになったこともあるが、
よく考えると見ていたのかもしれず、
よくわからない。
見ていないのは大体自分の方だったりする。
「先輩は横をむいてそして。」
先輩は時々急に不安定になって、僕の前でも泣いたりした。
でもすがって泣く、頼って泣くわけではなくて、
いつも何かで必死にごまかそうとした。
僕は先輩が泣いたくらいで急に優しくなったりしない。
だから普通に泣けばいいのに、と思った。
でも先輩はいやだったんだろうな。
僕に弱さを見せることを。