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「最初の頃。」

時々強い風が吹いて教室中のほこりを巻き上げる。

原型はまず無意識に目で追うところから始まる。
やがて目で追っている自分を自覚する。

しかしその感情が好きだということを
なかなか飲み込めず、否定する。

元々話好きではない上に、
余計しゃべらなくなって考え事をする日々が続く。

そうした気配を察してマキタは逃げる。
マキタが逃げるので仕方なくオータニと仲良くする。

オータニは話しやすい。放課後捕まえて長々と話す。
オータニはにやにやと聞いている。
マキタは遠くで見ている。いやそうな顔をしている。

それが僕の覚えている「最初の頃」だ。
最初の瞬間には、いつだって強い風が吹いている。

「不信。」

村木のどういう顔を一番覚えているかというと、不信だ。
私は面倒な女である、君はいいとこのお坊ちゃんで多分理解できないだろう、
それが村木の底に流れている感情であり、孤独だったような気がする。

時々安心するが、安心した自分に不信感をつのらせてまたおかしくなる。
思春期のそうした感じやすい気分を、
「メンヘラ」の一言で矮小化するのはあんまり好きじゃないな。

あの季節にしか言えない、感じられないことがたくさんある。
成長するということは、鈍くなるということと同義だ。

—-

オトナ先輩ってどの漫画でしたっけ。
1枚2枚しか描いてないなら、
別の事柄を書いた日記をまとめただけのフェイクかもしれません。
まあこういう時にぱっと探せるようにできていないのは意図的です。
そのうちランダム表示で12000分の1の確率で出てきたら教えてください。

—-

「姿見」については「脱いでるところ!」という意見が圧倒的に多くて嬉しいです。
正解は正直僕にもよくわかりません。

袖のボタンをとめている(か外している)、という絵を描きたくなり、
袖のボタンっていつの段階ではめたり外したりするっけ、となり、
僕は着る時は最後、脱ぐ時は最初だなと思いました。

それじゃ面白くないんで「どういうこと?」となるように
いろんな状態を混ぜてみたので、正解は「絵の中のマキタにしかわからん」
ということになります。

場所は演劇部の更衣室です。
きぐるみみたいな衣装を着る時、下はどうなってんのかとか、
当時はもちろん恥ずかしくて聞けなかった話がいっぱいあります。

「それよりこの子はノーブラでシャツ着るんか」という
ツッコミを期待しましたが、それはあまり関心がなかったようで。
タイはあとから書き足したんですごい変でしょ。
タイを入れないと乳首を描く必要があってそれは駄目だと思ってさ。
うちの高校の制服、タイやリボンはなかった。

先日、教え子の女生徒と漫画の話をしてて、
「時々読んでて、この服ではトイレで用足せない」とか
さまざまな男が描く女性の服へのツッコミを聞いてて
ああ面白いなあと思ってね。

「泣きぼくろ。」

ナナさんはイケイケなお姉さんだったが
無理してんじゃないんすか、と聞いたら
そりゃ無理してるよ、と答えた。

なんで無理してまで元気に見せたいんです?
と続けて聞いたら
そりゃあお姉さんだもんと答えた。

僕たちはいつも本当に言いたいことの周りを
ぐるぐると衛星のように回っている。