
趣味と手癖で描くと大体こうなる。
趣味と手癖で描いた絵とは、要するに好き勝手に描いた絵ということだ。
じゃあいつも描いてるのは違うのかというと、うん、違う。
2割くらいは絵でどう見ている人とコミュニケーションをとろうかということを
考えている。これでも。
わたくしはムンクに強い精神的影響を受けておりますから、
基本的なテーマが生死と不安、憂鬱だったりします。
思春期的なテーマですが、今でもそれが一番好きです。
見る人を不安な気持ちにさせる(不安だけだとは思いたくないが)絵を、
大喜びで描いているというのも不思議な話ですが、
これはまあ、高校大学の頃もそうでしたし、
わたくしの個性なんだろうと思います。
これも見る人には全く関係ないことですが、
今こうして絵を描くのが楽しいのは、
写真やモデルを使って「上手な絵」を描こうとしなくなったからでね。
やっぱり学生の頃は、まず「いい写真を得る」がスタートだった。
だからいい雰囲気の人が必要だったし、
いい雰囲気の人と仲良くなることも必要だった。
だからこう、絵じゃなくて人を求めていたんだと思う。
今はそうじゃない。
ようやく写真やモデルから開放されて、
頭の中にあるものだけで表現しようと思えるようになった。
うまくなったからではなく、うまくなる必要を感じなくなったためだ。
ずいぶん遠回りしてしまった。