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1:2016.11.18 (23:24)

「ミステイク渾身 。」

「ミステイク渾身。」

僕は出し惜しみなく、とにかくいいところを見せようと、
絵を描いたりピアノを弾いたり付け焼き刃の学識を披露したり、
全然効果のない間違った方向へ力いっぱい暴走していた。

言葉では何ひとつはっきりしたことを言わなかった。

大分後になって熱情を弾いた時の録音のかけらが残っている。
暴走しててへったくそだ。

5:2016.11.13 (20:13)

さみだれちゃんとどうしようもない日々。8「これはこれで。」

さみだれちゃんとどうしようもない日々⑧「これはこれで。」

同じことをその辺の人がやれば「薄情だな」と感じたのかもしれない。
特に優しさと下世話の違いがわからなくなっていた僕には、
一見心配そうな態度でその実冷たい人間よりも、ずっとありがたかった。

 シリーズ「さみだれちゃんとどうしようもない日々。」

 「さみだれちゃん。」本編

8:2016.11.11 (23:12)

「セキグチとヨシダ⑤ 。」

「セキグチとヨシダ⑤」

後輩・天文部ヨシダとどれくらいつきあっていたのか、思い出箱の日記に記述がなく、思い出せない。
どっちが先輩だか後輩だか、わからないような関係だった。
大分ひどいことした、という罪悪感は残っている。

→シリーズ「セキグチとヨシダ。」

10:2016.11.10 (23:26)

シリーズにんげんのうた③「マキタ③。」

シリーズにんげんのうた③「マキタ③。」

口先だけで大して怖くないという僕の事実を、
一瞬で看破して最大限に利用する、
僕はとても女子部員が苦手だった。

マキタは大体いつも通りだった。

→シリーズにんげんのうた

12:2016.11.8 (22:48)

シリーズにんげんのうた②「マキタ②。」

にんげんのうた②「マキタ②。」

嬉しい時も哀しい時も怒っている時も、大体同じような顔をしているマキタのことを、
僕は大体何も理解することはできず、
どんな状況でどんな言葉を投げかけられても、
決して正面から受け止めようとはしなかった。

後悔だけが色濃く残る。

→シリーズにんげんのうた

14:2016.11.6 (23:01)

シリーズにんげんのうた①「マキタ。」

にんげんのうた①「マキタ。」

僕はいつも反抗的だったが、それは反抗のための反抗、
反抗的なポーズに酔いしれているだけの、暗く俯いた子供で。

だから結局、大きなシステムを自分から見限ることなく、
安心が約束された場所から、辺りの顔色を伺いながらあれもこれもダメだ、と
駄々をこねていたに過ぎない。

僕にとってマキタは、そうした稚拙なアイデンティティでさえ確立できずにいる、
僕自身のアンチテーゼのような存在でもあった。

→シリーズにんげんのうた

15:2016.11.5 (23:57)

「セキグチとヨシダ④ 。」

「セキグチとヨシダ④。」

頭のよい子が好きだったが、頭のよい子はなかなか尻尾をつかませない。
仲良くなると頭のよい子特有の全能感、万能感が
少しづつ見え隠れするようになる、その隠しきれてない何かに、
僕は誘蛾灯の如く惹きつけられたのだ。

→シリーズ「セキグチとヨシダ。」

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