「詩。」

2023.11.29 (23:16)

詩は読むものではなく探すものだと思っている。

どんな有名な、あるいはどんな好きな詩人の詩集を買って背筋をただし、
頭から順番に丁寧に読んでも少しも頭に入ってこない。

でも憂鬱でうらぶれた気分の夜に
ふといつもは手にしない書棚の詩集を枕元にもってきて
ぱらぱらと適当に眺めてみる。

と、実にしっくりする言葉が目に飛び込んできたりする。
その同じ詩を繰り返し繰り返し眺めて、やがて眠る。
朝起きてもう一度見ると、その魔法は既に溶けている。

先輩から詩を与えられて以来、
そんな日々をずうっと繰り返してきた。
僕はそんなものを作りたくて絵や言葉を紡いでいる。