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「帰り道。」

描いてる僕が何を考えてるかなんて見てる方からしたらどうでもいいわけですが、
この構図…農道をマキタとオータニが駅に向かって歩いている図、
好きでねえ。今までもしょっちゅう描いています。
よく覚えている光景だからね。

あなたはこれを見て何を感じるのでしょう。
仲良さそうとかいや寂しそうとか、
友達っていいなあとか何を話してるのかなとか
エロが足らんもっとエロく描けとか(アホですねえ)、
そんな風に思ったり、あるいは何の興味も湧かずそっと戻るボタンを押したり、
そんな感じでしょうか。

これを描いている「僕」は
道端の大きな石に腰掛けて、通り過ぎていく二人をただ見ています。
話しかけたいと思いながら、仲間に入りたいと思いながら
でも最初のうちはただただ見ています。

寂しい絵です。
だから何度も描きたくなります。

「鉛筆とモノクローム。」

鉛筆とは言ってもiPadで描いてるので
ただの鉛筆ツールだ。

デジタルのよいところは手が汚れないという一点のみで
後は絵を描くことが退屈になる機能で満ちている。

残念ながら手も目も弱ってきた今、
大きなデッサン紙をカルトンに貼りイーゼルに立て
何時間も腕を動かして描くことはもう出来ない。

この程度の絵は一度もちゃんと絵を描いたことがなくても
町のデッサン教室で一年やれば誰でも描ける。

僕はそんな技術しか持たない。
だから絵を描くにはもっと後ろめたい、
自分でも見たくない自分の裏側のモノクロームがいる。

「あの月が近い。」

「もし自分が女やったら今の自分とつきあいたい?」
「絶対イヤやな。」
「そんなん即答する人となんで私つきあわなあかんの。」

必死に何か言い返そうとして
一瞬言いよどむ。
その一瞬は永遠と同じことだと気づいて俯いた。

あの月が迫っている。
あの月はとても近くで
僕をじっと睨んでいる。

「流れる水のように。」

小学校3年生の時に立派な市立図書館ができた。
かたっぱしから借りて読んでいるうちに、
一年であっと言う間にメガネが必要なところまで視力が下がった。

以来ずっとメガネと共に生きている。

メガネ(あるいはコンタクトレンズ)を通してしか見ることができない僕の世界は
果たしてマキタに見えている世界と同じだと言えるだろうか。

その市立図書館は高校の裏にあった。
高校生になった僕は頻繁に授業をサボって図書館に行っては
そんなことをずっと考えていた。