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「燃える日。」

気がつくと踏切を描いている。
僕たちの乗る近鉄電車は
名古屋に向かって伊勢湾の海岸線を走っており
駅から降りて数分も歩けば海に出る。
冬、鈴鹿山脈から伊勢湾に向けて吹き下ろす風は
鈴鹿おろしと呼ばれ、
僕たちはその強い強い寒風の中を
話すこともなく無言で歩いた。
空が燃えている。
マキタは嫌な顔をしたりはしなかったし、
嬉しそうな顔もしない。


