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「失望。」

人に言われたことは、きっと傷つきたくないためにすぐ忘れてしまう。
自分があたふたと言い訳を続けた光景は、
どことなく冷めた視点として鮮明に記憶に残っている。
僕たちは自分を守ることだけにいつだって一生懸命だ。
「青春は、恋愛は、苦い。」
そんな一言では決して済まされない、僕と僕たちの、失望。
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人に言われたことは、きっと傷つきたくないためにすぐ忘れてしまう。
自分があたふたと言い訳を続けた光景は、
どことなく冷めた視点として鮮明に記憶に残っている。
僕たちは自分を守ることだけにいつだって一生懸命だ。
「青春は、恋愛は、苦い。」
そんな一言では決して済まされない、僕と僕たちの、失望。

僕たちは裏切られたことはいつまでも語るが、裏切ったことは語らない。
大事なのは裏切った記憶を咀嚼する方なのに。
今まで誰も裏切った記憶がないというなら、
それは幸せなことだと思う。
ただし、幸せなのはお前だけだ。

僕は自分ではポーカーフェースのつもりだったが、
そういうと先輩は「地上にお前より何でも顔に出る奴はいない。」と言った。
僕は僕で先輩のどんな言葉にも内心大喜びで、
いや、「内心」が出来ないからこそ顔も大喜びで、
いつも先輩を苛立たせた。
でもなれあいはしあわせだった。
ほんとうにしあわせだった。

憂鬱で不安な気持ちを、恋人や友達にこそ見せたくない、見せられないと思う僕と、
恋人や友達だからこそ見せられると考える彼女とはたびたび衝突し、
いや、衝突にさえなっていなかった。
僕の衝突や軋轢を避ける態度は最初は優しい人として受け取られるものの、すぐに見透かされ、彼女は泣いた。