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「マキタ。」

「マキタ。」

これはよく覚えているから折に触れて描くのだけれど、
本当のことを言えば、
「マキタがいつも廊下で聴いてるよ」と教えてくれた演劇部員がいるのだ。

気配はドアの窓に人影が映るので気づくのだけれど、
もしかしたらマキタではなかったかもしれないね。

新シリーズ「僕。」①

「僕。」①

1997年、僕は大学三年生。
何の希望もなく、ただ澱んでいた。

そんな希望のない毎日を、
希望なく描きたいと思った。