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「どうしても必要な時。」

色々うまくいかない時(うまくいったことなんてないわけだが)
優しくしてもらうとどうしても甘えてしまうのはしょうがなくて、
しかしやがてこれはダメなのではと気づき始める。

恋人に甘えるのではなく
母親に甘えているのと同じ気がして
気持ちが悪くなるからだ。

相手のすべてを受け入れ
許そうとする母性は本能でもあるが狂気でもある。
このままだと双方よくない。
そういう自然な直観があった。

それまで自覚を持たずに
結婚してしまってからそうした甘えや母性がでてくると
話し合っても解決せず、破綻する以外に選択肢がなかったりする。
そういう人間をたくさん見てきた。

人間は一人で生きていくことはできない。
それはそうだと思う。
でも寄り添って生きていくことを前提にすると
それもまた苦しい。

「月光。」

汚い格好の先輩が好きだった。
僕のモデルになってくれた日も、どう見てももっと年上…おばさんとか…のお下がりで
糸がほつれたようなセーターと破れたジーンズでうちに来た。

僕は先輩が欲しかった。
何をしてでもその関心を買いたかった。

先輩が与えてくれる世界は
いつもくすんだ色で溢れていた。

その言葉をすべて書き留めておくほどに
僕は先輩に近づきたいと思った。

安らぎを与えてくれる人はたくさんいた。
安らぎと共にいると僕はなめくじのように弱くなった。

僕は先輩の体にそっと手を回した。
先輩はぽつんとそれはお前が寂しくなるだけだ、と言った。

窓の外の月は僕たちを全て見ていた。