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「たった一枚だけ、の。」

村木の写真はほとんど残っていない。
残っているものも、全てモノクロフィルムだ。
当時写真は全部モノクロで撮影していたからだ。
文化祭が終わった時のような空気が流れていた。
僕と村木は残ってだらだらと後片付けをした。
長い一日が終わって、僕たちはしゃべる気力もなかった。
僕は黙って一枚だけ写真を撮った。
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村木の写真はほとんど残っていない。
残っているものも、全てモノクロフィルムだ。
当時写真は全部モノクロで撮影していたからだ。
文化祭が終わった時のような空気が流れていた。
僕と村木は残ってだらだらと後片付けをした。
長い一日が終わって、僕たちはしゃべる気力もなかった。
僕は黙って一枚だけ写真を撮った。

自分自身を客観的に見ることは誰にもできない。
もし出来るとすれば、その時一番近くにいる人間の目を通すか、
あるいは何年も経ってから振り返るかだ。
こうして振り返れば、
僕は全ての分岐点において、
全て誤答を選択したことになる。
反省する反省すると逃げ口上ばかり上手くなって、
大事故を起こした時、ようやく僕は僕自身を知る。

目に見えるものだけを見て生きている。

他の人間には
なんだって適当に言えるのに。
びっくりするくらい頭が回転しない。
いや、多分回転しすぎてショートしている。
僕は汗をかきながら
独り言を言い続ける。
雨が降っている。