
目の前で人が狂っていくのを見ていた。
怖かったのと同時に、ちょっと羨ましく思ったことも覚えている。
もう人を指して「狂っている!」と言うことは出来ない。
自分が狂っているのかいないのか、
自分でもわからなくなってしまったからだ。

目の前で人が狂っていくのを見ていた。
怖かったのと同時に、ちょっと羨ましく思ったことも覚えている。
もう人を指して「狂っている!」と言うことは出来ない。
自分が狂っているのかいないのか、
自分でもわからなくなってしまったからだ。
ぴくちゃんは、自分が面白いことを言っていないのに周囲が笑うことに困惑し、次第に狂気に陥っていく。ハセガワが「カンダタは?」と問いかけると、ぴくちゃんは「羅生門」「こんにちわ糸」などと意味不明な言葉を発し、「もーん」と奇妙な声を上げる。ハセガワは、その状況を「幸福だった」と回想している。