「ふと気づいたのだ噛ませ犬。」
僕はいつも余裕がなく、一人でカリカリとして自滅していました。
そして大体そうした余裕がない時に限って噛ませ犬になっている自分にふと気づき、例えようもなく落ち込みました。
いまだに余裕がありません。
噛みたいです。噛ませるより噛みたいのです。
そうやって卑屈になるから、こうなる。
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僕はいつも余裕がなく、一人でカリカリとして自滅していました。
そして大体そうした余裕がない時に限って噛ませ犬になっている自分にふと気づき、例えようもなく落ち込みました。
いまだに余裕がありません。
噛みたいです。噛ませるより噛みたいのです。
そうやって卑屈になるから、こうなる。
美術部と天文部は隣あっていて、部長同士仲がよく、お互いに侵食しあうテリトリーが一切ないことからさかんに交流があった。
総勢25名の美術部は部長の僕を除き全て女子部員で、どちらかと言えばイマドキの、ギャルな生徒が多く、比較的大人しい成績上位者が集まる天文部は、僕の癒やしの場所でもあった。
ヨシダもまた、入学した時点から抜群に優秀だった。
僕はずっと同じ人のことばかり見ていた。
だからなのか、それでも、なのか、
彼女が何を考えているのかは僕にはさっぱりわからず、
途方に暮れるばかりだった。
どうしてこんなちょっと考えればわかることを、とも思いつつ、一度残った印象はなかなか自分では上書きできないもので、僕はさみだれちゃんが確実に何か僕に見えないものを見ている、と信じていたし、そこが好きだったのだと思う。
物静か=自分を深く理解してくれそう、という大きくてロマンティックな誤解はすぐに破れて現実を見ることになるわけですが、でも幸せで豊かな誤解だったと僕は思うのです。
僕はいつだって取り残される。
そして傷ついたような顔をして、傷ついたような言葉をしゃべって、嘘ばかりついている自分を絶対に認めない。
僕は当時ひねくれものを装ってはいたものの、中身は実に単純なバカで、加藤塵芥のような腹の底に一物ある人間でもすぐに信用してしまい、とりあえず目に見えているものに場当たり的に対処するものだから、色んなことがこじれにこじれて、最後に何故か僕だけが全員から疎まれるという、大変遺憾な空気を、それでも自分では破ることが出来ず。
コンテンツやネタという言葉が段々イヤになってきました。自分を傷つけないための隠れ蓑として、あることないこと何だって言うからです。
先輩はいつも思わせぶりだったから、きっと高校生の時もごく自然体で思わせぶりだったろうし、きっと僕はそれに参ってしまうんだろう。
燃えるような夕暮れに。
融通をきかせようと思えば出来た筈だ。でも言葉は呪いのように僕を縛る。