絵にいたずらを描かれたハセガワは、ヨシダからよしよしと頭を撫でられ、そのあふれる母性に困惑する。後輩たちの相性に思いを巡らせたハセガワは、部屋のソファに座るマキタだけは何を考えているか分からないと告げる。突然の言葉に戸惑うマキタとハセガワの間には、互いに視線を交わしたままふたりきりの沈黙が流れる。 やがてマキタは、かつてハセガワが先生のふりをして家に電話をかけてきて家族全員が大爆笑した過去を語り出す。さらに彼女は、自分がおかしいのか周囲の人間が全員おかしいのかもう分からないと素直な胸中を吐露する。二人きりの独特な空気にハセガワは激しく動揺し、五十二歳になったハセガワはこの空気こそが恋愛だったと振り返る。



