家内ちゃんは布団に顔を突っ伏して不機嫌そうに唸り声を上げ、介抱する先生に対して苛立ちを激しくぶつける。先生はお水を飲むか優しく問いかけ、この八つ当たりは信頼による甘えの表れだと理解して穏やかに受け止める。コップに水を注ぎつつ、以前に自分は薄っぺらい人間だと打ち明けてきたアノ子とのやり取りを静かに回想する。 数週間後、家内ちゃんの再入院が決まったため、先生は二十余年のなかで初めて自己都合により授業を休講にする。先生は電話口で申し訳ないと何度も頭を下げて謝罪しつつ、世間体や仕事よりも家内ちゃんへの付き添いを優先する。社会に対して自分は薄っぺらい存在だと割り切り、社会人として失格だろうと知ったことではないと言い切る。



