ハセガワは、二十年以上も同じ部屋で一日中一緒に暮らしている家内ちゃんと、どうでもいい雑談を交わして休日を終える。布団に潜り込んだ家内ちゃんは、桃の時期が終わり次は梨の季節がやってくると寝そべったまま呟く。 ハセガワは、人間は大人になると失敗に麻痺して自分への言い訳を重ね、本当の姿を直視することを嫌うと考える。かつてマキタから何でも分かり合える関係を人に求める身勝手さを突かれ、寂しさに振り回されていた過去を振り返る。 寂しい者同士がくっついていても長続きはしないと考えたハセガワは、店へ出向いて今が旬の梨を買い求める。布団の中にいる家内ちゃんへ切り分けた梨を食べさせ、美味しいかと尋ねると、家内ちゃんはあんまりと答えつつそれを口にする。



