ハセガワは、学生時代の失恋や留年、無職、大病などの人生の危機を「なんとかなる」と乗り越えてきた。死にかけた時でさえ必要な休息だと心を平穏に保ち、友人に助けられて再起した。しかし、現在直面している自分ではどうすることもできない状況は、失恋から30年が経ち人生で二度目に経験するつらい感情であった。ハセガワは匿名で寄せられたメッセージに対して静かに返信をする。




セリフ
1ページ目
- 学生時代
最も傷ついた
出来事は
失恋です。
- 効果音パンッ
- 真剣に
思い詰めたことが
それくらいしか
ないから。
- 二度目、
三度目と
出会いと別れを
経験するうちに
慣れました。
- 大体
同じだったから。
- 女の人は
「運命の女神」から
自分とさして変わらぬ
ごく平凡な人間となり
- 僕は自意識という
自縄自縛から
少し開放されました。
2ページ目
- 後は大きく
感情が振れた出来事は
思い出せない。
- 留年・無職・低スペック・氷河期
- そんなものは
失恋の痛みと比べると
気にもならなかった。
- 所詮自分だけの
小さな話だから。
- 小さい危機は
何度もあったものの
- どうにかなる、
どうにかするという
絶対の
自信がありました。
- 実際どうにか
なったしわたくしは
死ななかったから。
3ページ目
- 死にかけた時
体は悲鳴を上げたが
心は逆に平穏だった。
- 病気を言い訳に
もう何もしなくていい
痛くて考えられない。
- わたくしには
必要な休息だった。
- 仕事がなくなって
困っていたら
手を差し伸べて
くれる友人たちがいた。
- 再び少しづつ
やる気が出た。
- 多分この
どってことのない、
平凡な生活を
幸せと呼んどけば
いいんじゃないか。
- まあいい、
なんとかなるし
なんとかする。
4ページ目
- だから
自分では
どうすることも
できない
この1ヶ月が
- 失恋から30年も
経って、
- 人生で
二度目に経験した
つらい感情です。
- 「ねえ。」
- 「いい歳してこの程度しか
つらい目に遭っていない
わたくしに
腹が立ちますか?」
- 「でもね、わたくしは
あなたをどうして
あげることも
出来ないんです。」
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