ハセガワは、失恋などの精神的ショックから回復する過程で耐性を得る思春期の心の動きを語る。しかし加藤のような他者からの安易な病名付けや、アノ子が抱えるトラウマ、社会の複雑さに直面し、高校生の彼は「社会に参加せず身近な人だけを見て生きる」と日記に綴った。傷つき回復しようと努力した者だけが人に優しくなれるという自論は間違いかもしれないが、ハセガワは今もその信念を抱きながら眠れぬ夜を過ごす。



セリフ
1ページ目
- 失恋や
身近な人との死別など
ショックなことがあれば
おかしくなって当然だ。
- 最初から何ともないなら
むしろそっちのが
重篤な精神疾患の
ように思える。
- その「おかしい」期間
……急性期を過ぎると
徐々に落ち着き、
回復しようと
脳が試みる。
- 傷ついた事実は
変わらないが、
変わらないゆえに
一人で深く考えることで
諦め、納得し、耐性を獲得し、
ほんの少しだけ強くなる。
- 思春期の間、
これを繰り返す。
2ページ目
- 「お前、それってアレじゃね? ネットで見たぞ なんとかってビョーキ。」
- 医学、あるいは心理学の進歩。
- そして 「孤独なのに 孤独にさえ させてもらえない」
- 「もう二度と こんな気持ち イヤだよう。」
- 急性期のまま 時間を止めると それがトラウマになる。
- 本人の問題のことも あれば、 家族の、社会の問題の こともある。
- どう努力しても 世界が平和にならないのと 同じく、 社会自体を改良するには 途方もない時間と労力がいる。
3ページ目
- 「「だから僕は社会には参加しない。近くの人だけを見て生きてゆく。」」
- と17歳の頃の日記に書いている。
- 「傷つきやすい人間は少しも優しくない。自分がそうだからよくわかっている。」
- 「何度も傷ついて回復しようと努力した人間だけが人に優しくなれるのだ。」
- 「もちろんこんな気持ちは間違っているだろう。時代としても人間としても。」
- 「だがわたくしはそう思っている。ずっと。」
- 「そして眠れない夜に眠る必要はない。」
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